車の話です。※印の細かくはWEBなどでお調べ下さい。
■みかんが、さり気なく「そろそろ散歩でも、、」とアピールしてくる。
ちなみに机の足の傷は、1歳前の時に、みかんがかじった痕。
みかんと散歩に出ようと家をでたら、数軒隣の向い側にある「開かずの車庫」が珍しく開いていて軽やかなアイドリング音が漏れ聞こえてきた。以前開いている時に中に見えたのは50年代の丸い2つ目のメルセデスベンツ300SL(※)だった。190SLだったかもしれない。でもいま中から聞こえてくる音は明らかにそれのではない。
数軒先だが、散歩に行く方向とは反対なので、気になりつつも確認せぬまま歩きはじめた。
我々が一つ目の四つ角を曲がった頃、その車は車庫を出て同じ四つ角に向かってきた(音で判る)。走り出した音は、さきほどよりさらに軽やかで小気味良い。
フェラリの音のようでもあるしマセラティやランボルギーニのようでもあるが、、無駄にかん高くもなく、歯切れの良さと軽やかさがそれらとは明らかに異なるのだ。
30年以上前、バスでイタリア北部からチロルを抜けてバイエルンへ向かう高速道路で、アルファロメオのコンペティツオーネ(完全コンペティション用の車)であるカングーロ(※)に官能的な排気音を聞かされながら数回追い抜かれたことがあるが、その時「これが本当のアルファサウンドと呼ばれるものか」と感動し認識した。その時の音の記憶がふと蘇った。ともかく小気味良く軽やかで官能的なのだ。
車庫を出たその車は、住宅街の中をそ〜っと抜けようとしているのだろう、まだエンジンの回転数も低く付加もかかっていないが、聞こえてくるのはあきらかにあの「アルファサウンド」だった。
我々が曲がった角を、同じ方向に、その車も曲がってきた。
車がその交差点を半分曲がったとこでその顔がはっきり見えた。あきらかにアルファロメオの顔だった。でも、いままで見たことのない顔をしている。音も今普及しているどのアルファロメオよりもより官能的なアルファサウンドだ。
我々の脇をゆっくり追い越していった。みかんも父さんも立ち止まって見つめていた。そのアルファロメオ・カングーロのような後ろ姿を見て、、先日見た車の雑誌の記事を思い出した。数年前、アルファロメオがマニア向けにコンペティツオーネとして「アルファロメオ8C(※)」を開発し、300台ほどの限定生産で発売したことを。
今年5月頃日本にも入荷されると記されていた(日本への入荷枠は50台プラスあるふぁ)。たぶんその1台に違いない。
我々(みかんと父さん)は、車の一方通行路を逆方向に散歩の足を進めた。そして幹線道路の交差点へ出たところで信号待ちしていたら、またあの車がいた。あちらも信号待ち。そしてあちらの信号が先に青になったので、今度はより本来的なアルファサウンドを確認することができた。
■イタリアの真のエンスー(※)魂の結晶と云えるだろう。
安価バージョンはたったの(?)2500万円ほどらしい。
これじゃ、畑作業には使えないので、買おうなどとは思いもしないが、
一度、助手席にみかんを乗せてチロル越えなんぞをしてみたいものだ。
■見送った後、思わず、みかんと顔を見合わせてしまった。
みかんは相当のエンスー(真の車好き)だ。
「すぐ近所のガレージにいるんだから、また会えるよね!」
●一昨々日と同じご飯
コンニャクのトッピングは忘れた。
■前菜に、612の床から生えてきた二十日大根。