ヒトの味覚は、甘い・酸っぱい・辛い・渋い(苦い)の4種、今はうま味を加えて5種類とされている。各々別の味覚細胞で感知される。
天が生まれながらの危機管理能力の一つとして赤ん坊に「甘いものは安全」「毒は苦い」と云う指向性を与えたらしい。子供の「甘い・酸っぱい・辛い・渋い(苦い)」の味覚細胞は後者になるほど感知対象を「ともかくまずい」と感じとる。「苦み」の知覚細胞にいたっては舌の一番奥に鎮座し、その反応で喉を縮め、呑み込むことすら阻止しようとするらしい。子供にオブラートが必要なわけだ、スゴイ。やがて次の成長段階で酸っぱいものも美味しく感じられる様になり、その後学習と慣れで辛いものから渋い(苦い)ものにまで美味しく感じるものが広がって行く。しかもそれらは足し算ではなくカケ算で発展する。さらに食べ方や食べ合わせ等によって「より高度な美味しいもの」として受容できる様になるらしい。食材の香り・温度・触感それに体調等も影響するようだ。つまり成長した味覚は子供の頃に感じた同じ「甘さ」でも多種多様な甘みとして見分け受け止め楽しむ事が出来る様になるのだ。だから単純で強烈な甘さの刺激だけで成長すると、味を見分けたり美味しいと感じたりする能力が発達しないまま成人化してしまう。
「うま味」と「甘・酸・辛・渋(苦)」との位置関係は難しいところだが、渋(苦)みのもう一歩先、もしくは半分ほど渋(苦)みの一部と捉えるとわかりやすい、のではないか。「うま味」にも専門の味覚細胞があり、その細胞の感受が飽和すると「えぐみ(もしくは一種の苦み)」として脳に伝達されるらしい。日本の伝統的食生活が「うま味」を独立的な存在として顕在化させた。「うま味」は国際学術用語でも「umami」だ。ところで、イタリアが魚醤からトマトの国に切り替わったのも「うま味」の仕事だ。
味は感覚神経の活動で脳に伝わり判断されるので、人工的(化学的)に合成されたものによる刺激でも騙され易い、慣れにも弱い。味覚が成熟していれば早々に状況に気付けるが、刺激を繰り返されると慢性化し、味覚は麻痺するそうだ。コワイコワイ、ともかく避けることだ。
今日は、みかんの味覚の考察まではとても行き着けませんでした。
■とれたて空豆。空を指差す様に成るので空豆と云う。
■とれたてハナちゃん。4月16日にナオミさんが出産。みかんに会いに連れて来てくれた。互いに安らぐ脳波が出ている。
●鰺のお頭と空豆と豆乳の汁掛けご飯
鰺のお頭、空豆、豆乳、乾燥蓮根、乾燥まいたけ、ひじき、昆布、蒟蒻、人参&葉、大根&葉、生姜、ロメインレタス、キャベツ、すり黒ごま、五分つき米、オリーブオイル