50年近く前、「所得倍増計画」を唱え「貧乏人は麦を食え」と云って顰蹙(ひんしゅく)を買った総理大臣がいた。日本で「米」は古来、税や給与の対象であり、米を獲得出来る量が能力の表現の一つとして用いられていた。総理は「麦も栄養豊富で美味く、今や日本の主食の一つだと」と必死で弁解したが、まだ「戦後復興」「食管制度」の時代の中で口を滑らせたんだね、、国会で大騒ぎとなった。、、、代用食シリーズ、、パンとおやきに続き、今日は「おぶっこ」。
おやき同様、小麦が主食のような山国では饂飩(うどん)文化も豊かだ。長野北部(北信州)には「おぶっこ」と云う食べ物がある。山梨(甲州)の「ほうとう」とは双子関係に近い。「ほうとう」は云ってみれば饂飩の太い奴だ。細い順で云えば、「ひやむぎ・饂飩・ほうとう」となる。「おぶっこ」は「ほうとう」とほぼ同じだが、父さんの体験の範囲で云えば「おぶっこ」の方が更にやや圧縮されて且つ太い。
関西のうどんと異なり、関ヶ原以東の饂飩は、延ばすのをそこそこにして、力ずくで締め上げる。だから囲炉裡等で煮込んで食べるのが主流だ。「おぶっこ」は「田舎風煮込み饂飩」を更に加熱したのようなものだ。インドのカレーと一緒で、各地域や家庭や季節によって、具や味の異なり方が豊富だ。味噌も大きく貢献する。
ちなみに①、中国の一部では「ホウトウ」とはワンタンのことを指す。そう云えば本場中国で食べるワンタンには殆ど具が入っていない、皮が主役だ。「ひやむぎ」はもともと饂飩だったが、冷やして食べる美味しさを追求しているうちに細くなったそうだ。その境はどうでもいいはずなのに、その後、行政的に「ひやむぎ」の太さの範囲・基準が決められた。もっと違うことに税金を使うべきなのにね、、行政は。
ちなみに②、「素麺(そうめん)」は粉を練って麺にする過程で油を使うので、饂飩の親戚であっても兄弟ではない。秋田の「稲庭うどん」は京都から入った素麺作りから、保存の為に油を抜いた結果、細い饂飩に成ったらしい。だから、食べ方は「ひやむぎ」でなく「素麺」に近い。
ちなみに③、「棊子麺(きしめん)」はその名古屋っぽさから見て、「ほうとう」が京都風(都会風)にアレンジされたものと、父さんは発想している。
みかんは箸やフォークを使わないのに、麺類を器用に食べる。床のあっちこっちに汁が飛ぶけど、、、。猫舌(?)と云うか、「丸のみ」なので、温度には要注意だ。食い物においては、喉元過ぎれば熱さを忘る、懲りない性格でもある。
■麺打ちの練習をするみかん(ちょっとヤラセ) ■めざせ雉子うどん!ガンバレ、雉子饂飩たべられるまで。
●昨日と同じ。
※間食に人参。そして日々ハチミツ一なめ。デザートに梨。