話は「風水/キョンシー」から少し横に飛びます。
中国は広い。北(黄河流域)と南(揚子江流域)では気候風土が大きく異なる。中国の故事で、旅することを「南船北馬」と表現したりする。中国の旅や軍事の移動手段として、北では馬、南では船が必要だったかららしい。当然、文明のあり方や文化(宇宙観自然観世界観人生観)も大きく異なっていた。一言で云えば、「孔子」と「老子」の考え方の差。北は「仁義礼智信」即ち組織の秩序を最優先にする必要があった。だから(?)とかく力づくで権威的。南は「お天道様は万物に平等」だから(?)自分は自分。
食材や料理(北京、上海、四川、広東etc.)でもそれは伝わってくる。でも、広東まで行くと、料理にはルールと云う物が殆ど無くなる。広東料理がもっとも素材の鮮度を大事にし、なんでも食う。広東料理は庶民の暮らしが磨きあげたもののようだ。
北(黄河流域)は「乾燥地帯」で寒い、南(揚子江流域)は「湿潤地帯」で暖かい。学校の「世界史」で教わる「世界の4大文明(エジプト、メソポタミア、インダス、黄河文明)」は皆乾燥したエリアで発生した。乾燥したエリアで安定給水(大河の恵み)が可能になると農業は初歩段階での格段の量産的進歩を得る。それが4大文明と呼ばれるものを生む礎となった。その後、それらは「自然の摂理」と対峙し過ぎて消滅する。自然を押さえ込んだり、豊かさを「量に求める」概念や強大な権力構造に頼り過ぎた結果とも云える。
現在、中国の国土は「南船北馬」よりもっと広い。漢民族の亜種にも入れてもらえないが、ジトジト気候の森林(虫や菌の巣窟)やカラカラ気候の砂漠のような、過酷ながら考え方ではこの上なく豊かな自然環境の中に逃げ込み、そこで高度な文明文化を築いた人達がまだいっぱいいる。が、現在は「漢(中華)文化」の中に組み込まれつつある。その中華の自信が、今世紀前半、アメリカとともに世界に傘をかける(グローバル化)。悲しいかな、日本列島人としては、単独でなせることは少ない。そういえば、近年、納得出来る広東料理に出会わない。
みかんはDNA的には北方系なのだが、スーパー雑食グルメ。甲殻&貝類・ネギ系・香辛料・塩分、化学調味料以外の中華料理の食材はすべていける(実は、放っておけばそれらも食す)。かつては「机の足」もかじっていた、、広東系に近い。さすがに飛行機や潜水艦はかじらない。
■広東系と云っても「チャウチャウ」とはちゃうヨ! ■「(昔)机の足」も食べたけど、(今)パンダさんは食べない。
●昨日と同じ
トッピングに蒸かし芋。